尾瀬なる日々、それは妙
みょう、じゃないですよ、たえ、と読んでくださいね。
5月下旬から最近まで、尾瀬登山のハイシーズンとなり、団体ツアーのガイドで尾瀬に通っていました。
山小屋泊の行程で入る事が多かった今年、尾瀬沼から尾瀬ヶ原まで足を延ばす、2泊3日のツアーが印象的でした。
まずガイドだけで集合、群馬側の大清水から、福島側の沼山峠へお客様をお迎えに行きます。
このアプローチが4時間、地味に遠い。でもノンビリ楽しめます。
なぜかブーイングしたり。
沼山峠で合流したら、大江湿原を散策しつつ、尾瀬沼泊。
尾瀬沼ヒュッテで夕食を楽しむ。
この日は舞茸ご飯とハンバーグ、イワナの揚げたの、うどん鍋。
翌日は沼尻を経て白砂峠越え、見晴の弥四郎小屋泊。
最高の眺望のお風呂と、夕方の湿原散策を楽しみ・・・
これは夕食。
今日もハンバーグ。
全く問題なし!うまい!!
最終日は尾瀬ヶ原を東から西へ、横断。
鳩待峠でゴール、という、全長20㎞ほどになる山の旅です。
こんな事を自分で書くのはどうなのか、と思いますが(そして書かなくてもバレてるかもだけど)、団体ツアー、少し苦手意識があります。
人数が多いとコミュニケーション取れないので、話が一般的になるし、
ふと何か見つけて足を止めることは難しいし、
周りの人や環境に対しても、圧力がかかってしまうし~
お客さま、これで楽しいのかなぁと思う所があります。
私がそう思う時は、間違いなく楽しくないだろうな・・・
と、思っていたのですが、少し考えを変えるきっかけがありました。
2泊3日ツアー、見晴に無事到着し、夕食も終え、弥四郎小屋のベンチで夕景を楽しんでいました。
お客さん達はおのおの、ビールを飲んでわいわいしたり、小屋のサンダルをつっかけて木道を歩いたり。
キャンプ場でテン泊をしている人達の夕食もあり。
みんなが良い天気にニコニコ、美しい夕方の雰囲気に包まれて、小さな村の収穫祭のような空間。
私は一人で参加された方お二人と同じベンチで、至仏山を眺めていました。
誰ともなく、今日あった事、昔の思い出、ぽつぽつ話したり、話さなかったり。
お一方は高齢で持病もあり、口には出されていなかったけれど、尾瀬に来るのは最初で最後だろうと思われました。
至仏山と湿原を眺めるお顔には、少年のような・・・すがすがしさがありました。
短い時間ですが、全く知らなかった人の人生に触れることに、何か心が暖まるのを感じました。
同じ風景に心を向けている時、だったからかもしれません。
絶景を楽しみたいと言うけど、景色って大したこと?なくて、空間と時間の共有だと思うのです。
それが単身であっても、時間と空間の軸が交わる所、その特定の点にいること、今を生きてるなぁ的感触があるということです。
3日間、一緒に歩くだけの人と、その妙なる時を共にするというのも、悪くないもんかもなぁと感じました。
時間が短い日帰りのツアーでも、そんな事を感じられる瞬間がありました。
それがモチベーションにもなり、苦手なお仕事もなんとか越えられたと思います。
たくさん失敗もしましたが・・・・💦
怪我なく終えられたので、まずは良かったことにさせて頂きたい💦
ただ、尾瀬特有なのか、これは異常だよな、と思うこともありました。
それは事故の多発です。
レスキュー隊が鳩待峠を、何往復もしている日もありました・・・
同行したツアーでは大きなケガはありませんでしたが、濡れた木道での転倒は、見受けられました。
というか、要は私が転ばせてしまったのです。
安全に歩くことが本当に第一なので、設定時間を多めにとって、天候によっては中止という判断もしなければ。
安全に歩いていただけるガイド術、事前準備のことから考えていかないとな、と思った次第です。
たえ〔たへ〕【▽妙】
読み方:たえ[形動][文][ナリ]
不思議なまでにすぐれているさま。何ともいえないほど美しいさま。
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