飯豊とことこ。春の東北ツアーしあげ。
鳥海山、月山と南下し、3日目の夕方に流れ着いたのは、飯豊山系のふもと。
一度新潟に出てから山形に戻ります。遠く、山深い。
川はまさに清冽といったようすで、雪解けで水量が多い。
旅の締めくくりは、飯豊連峰の展望台とも呼ばれる、倉手山(くらてやま)へハイキングにしました。
石転び沢へスキー、というプランもあったのですが、あまり欲張らないで行きたいとお願いをしました。
いまだに色々な面で、去年の怪我の事が考えに浮かびます。そんな時期。
急登のスタート、ブナの森が続きます。
山菜センサーの感度を上げて行ったのですが、斜面が急峻すぎて、ちょっと手が出ません。
残雪と新緑の峰々。
5月とは、なんと爽やかな時期なのでしょうか。
尾根筋は松がけっこうありましたが、ゴヨウマツ系でした。
キタゴヨウかな?
あとシャクナゲ先生もたくさん。
途中、50mくらいの雪渓を通過する個所が。結構滑りやすくて、灌木をつかみながら歩きました。
至近距離でさえずりを聞かせてくれたクロジ🐦にときめいたり、
いろいろ見ながら、ゆっくり歩く。
標高差がおよそ600m、2時間で山頂に到着です。
飯豊山脈の全貌が見えました。
7段200mという梅花皮大滝を教えてもらいました。
石転び沢、稜線にある梅花皮小屋が見えます。
分かっちゃいるけど、くぅ。となる。
さらに、山頂でのんびりしていると、何やら大きな猛禽が。
茶色っぽい全身に、下側に見える白い羽、やや翼をそり返して飛ぶ姿。全く羽ばたきをせず、高度を上げていきます。
え・・・これ、イヌワシの若鳥・・・?!
双眼鏡持ってきて良かった。
山頂で出会ったご夫婦に写真を撮って頂きました。
山形で会う方々は、皆さんとってもフレンドリーでにこやか。
他人の時間をとることや、自分の時間を他人に与えることが、なるべく避けられるのが現代の下界に感じますが、ここには違う距離感があるように思います。
なんだか、4月に訪れたネパールを思い出しました。人と人が顔を見合って話せるというか。
地図を見て、山頂から続くなだらか尾根筋で、山菜パトロールを考えていたけれど、残雪が多すぎて断念。まだ標高1600m地点は、春が浅かった。
下山時はちょうど良い時間帯だったのか、たくさんの登山者の方とすれ違いました。
それから、イヌワシに続いて、もう一つ自然からのプレゼントが。
春の妖精、ギフチョウ!
初めて見た。
里山歩きの師匠に写真を送った所、これは、ヒメギフチョウのようです。
通常、ギフチョウと本種は生息地が分かれるそうですが、飯豊には両方居るとか(これはネット情報)。
下りは2日間の疲れが溜まってか、右脚と左脚のバランスが悪くなってきました。
ふもとから眺める飯豊の山々は、威圧感というものが無い、でも目前に迫る存在感がある。
何かよく分からないけどエモい存在感がありました。
これで東北ツアーは終わり。
南魚沼に帰って、八海山の湧き水を汲んで帰路につきました。
この旅で、2つ、印象に残ったことを書いておきます。
飯豊に着いた夕方、駐車場に到着した時の事。
車泊の準備をしていると、Wakaちゃんが「ココは虫が多いからドアを閉めるように」と。
気温は10度くらいに下がっている。
ホント?と思っていると、どこからともなく羽虫が・・・
こんな生活面でも経験値が表れます。
それから、とにかくわかちゃんは準備が早い。
里ではもちらん、山の中では顕著になります。
自分の動きを観察してみると、何かとやり直したり、1ムーブ、2ムーブ、多い。
何かを落としたり、帽子を飛ばしてみたり、無駄な動きも多い。
以前、ガイドの先輩2人と鍋をしていた時の話を、つどつど思い出しました。
「どうしてお客さんはパッキングが終わってから、ザックをもう一度開けるんだろうねぇ」と。
私、お客さんの気持ち、分かります・・・。
もう一つは、山形で出会った人達が、とてもいい雰囲気だったことです。
多くの方がにこやかに話しかけてくれました。
谷川岳であっても、登山者同士、すれ違う時に挨拶くらいしますが、もっと街を歩いているような感じです。
人の数の問題もあるかもしれません。
なんとなく登山者同士で場所の取り合いをしているような、ちょっと牽制し合うような感じがあります。
この雰囲気を言葉にしたら、どう表現できるか考えているのですが、「朗らか」がさしあたり適当かな。
心にこだわりない、というのは良いですね。
ほがらか【朗らか】 心にこだわりがなく、晴れ晴れとして明るいさま。
goo 国語辞書
上段では、飯豊の山容を「なんだかエモい」と書いたけれど、山も「朗らか」と言えそうに思えてきました。