谷川岳天神尾根 登山道整備プロジェクト 活動レポ

動き出した谷川岳登山道整備プロジェクト。10月27日に今年2度目の活動があったので、レポートします!
なお、この活動は登山道管理者の群馬県とみなかみ町などの共催で行われています。善意の行動であっても、許可なく谷川岳山域の木を伐ったり、土・石・枝等を集めたりはできません。
天神平に集合、地元や県内の登山関係者など、40名近いボランティアの方が集まりました。
5-6人のグループに分かれ、資材や道具を担いで現場に向かいます。

私の班はこれまでに各地の登山道整備に参加している方や、本業で林業に携わっているメンバーで、何をするにもスムーズでした。
荷物を背負うといったシンプルな事でも、意外とこつが必要ですよね。(私はうまくできませんっ)

作業に入る前に、9月上旬に行った整備箇所を見学に行きました。
新しく敷いた石も、2か月弱でしっかり定着しているように見えました。
うまいこと平らな石がステップになっています!

今日の現場に戻り、作業開始!
私たちの班はステップづくり班。担当するのは、天神平からすぐの登り階段です。大きく洗堀が進んでしまったところです。


土が流れてステップが60㎝くらいの高さになっています。そして段差が大きすぎるので、段差の低い所を探して、みんな木道の横を歩いている箇所です。
このままだと年々土が流れ、ステップ横の溝が深く・長くなり、歩きにくいうえに道が広がってしまいます。
講師のつっちーさんより、皆で考えて作っていきましょうとのことで、まずは角材を仮置きしてイメージを共有していきます。
限られた資材をどう組み合わせれば、歩きやすく水がはけやすいステップになるか考えます。

角材だけでは足らないので、周囲の倒木を集めます。
ちなみに、今回の作業はいろいろな許認可をクリアしているものです。それ以外では、倒木であれ持っていったり、使ったりはNGです。
登山用のスリングなど使うと、運ぶのが楽になります(私やってないけどな・・・)。

ステップづくり班とは別に、側溝掘りチーム、桟木打ちチーム、歩荷(ぼっか)チームも作業をします。
側溝掘りチームは、土砂で機能しなくなった水切りの側溝をきれいにします。桟木打ちチームは木道の滑り止めの桟木(横木)を打ち直すチームで、古くなったクギを抜く作業もしました。

歩荷チームはステップづくりの資材にする浮石や土砂を集めて運ぶチーム。いちばん地味だけど縁の下の力持ち。
歩荷チームが届けてくれた石を使って、ステップのスキマを埋めていきます。

ステップの要となる角材は、L字アングルを二本打ち込んで固定します。
ハンマーでガンガン打ち込み、なんとか半分くらい刺さりました。余った部分はサンダーで切断。
このつっかえ棒(と言うのか・・・?)も、自然物を使うこともあるようですが、強度と資材の有無から今回は60㎝くらいのL字アングルを使用しています。

あっという間に時間が無くなってきました・・・
他の班からも助っ人が加わり、ステップのスキマを埋めていく作業を進めます。大き目の石や材木、小さな石、土や落ち葉という順で、歩ける形にしていきます。
人がよく通りそうな箇所には、なるべく平らな石を敷いて、滑りにくくなるように。

終了時間ギリギリまで作業し、いちおう予定していた一カ所を終えられました。
角材と倒木を組み合わせて8段のステップが出来上がり。分かりにくいのでステップがある所に、黄色矢印を入れてみました。
今日作ったばかりの道だけど、けっこうなじんでいるような!

赤色で囲んだ箇所はドロドロで滑りやすく、土が流れやすいので、倒木で通せんぼ。土留めなどできれば良かったですが、時間が足りませんでした。
また、今まで歩かれてしまっていたステップの左側の溝は、落ち葉を敷き詰めて人が立ち入らないようにカバー。
上から見ると、想定したコースに自然と足が向かいそうに見えます・・・。

何人か下山中の方が通るのを観察。
皆さん想定通りにステップを使ってくれていました。いちおう成果が確認できた!
下山を始める皆を見送りつつ、講師のつっちーさんが、そっと番線を手に取りL字アングルと木材を固定していました。
昨年上高地に行った時も、この締める作業(かしめる・・・?じゃなくて、なんて言うか忘れた)がシンプルだけど難しい、と講師の方がおっしゃっていました。
最後の仕上げが大事なのですね。ここまで見守りと指導をありがとうございました。
今日手を入れた場所が今後どうなるか?まずはこの冬が越えられるか?来年の春に見に行くのがどきどき楽しみです。長く使ってもらえるようになればいいな。

