秋の街道をゆくトコトコ集団【ガイド山行記録】
三連休の最終日、秋の深まった三国街道を歩いてまいりました。
越後側登山口からスタート
スタートは新三国トンネルを抜けたところ、越後側の登山口です。
長年旅人を見守ってきたであろう、馬頭観音さまとお地蔵様が出迎えてくれます。
穏やかなお顔つきで癒されます~
苔もいい仕事しとる。
三国峠までは、つづらおりになった道をゆるやかに登っていきます。
紅葉は少し盛りを過ぎたでしょうか、冬の気配が濃い森の中にも、日差しが暖かく届きます。
今日は私もあわせて7名、トコトコツアーとしては最大級のグループになりました。
ゆっくり1時間弱で三国峠に到着。
空は雲一つ無い快晴です~
三国峠と呼ばれるのは、かつて越後、信濃、そして上州の境が、ここで接していると考えられていたためです。
そして、こちらの神社は三つの国から、それぞれの神様が集まるところ。
三国権現などとも呼ばれますが、御阪三社神社という神社です。
おやつ休憩をとりながら、神社の向かい側を見ると、斜面の上に石像があり街道を見下ろしています。
春には笹薮に隠れていたのですが、草刈りの方がキレイにしてくれたようで、ベンチからよく見えるようになりました。
三国峠に立ち寄った際はぜひ探してみて下さい🐴
三国峠からは、美しいブナ林を歩きます。
旧街道筋は道幅が広く、勾配がとても緩やか。
ところどころ、沢筋で道が悪い場所はありますが、多くはリラックスして歩けます。
昔の人達が作った道は、合理的なのだと感じますね。
途中には石像や長岡藩士雪崩遭難の碑などがあります。
永井宿の方へもっと進めば、大般若塚や戊辰戦争戦死者の碑など、歴史を感じられるスポットが多くあります。
国道から法師温泉へ下り
今回は峠から30分ほど歩いた所で、旧街道のメイン筋を外れて、法師温泉へ下って行きます。
国道のよう壁の割れ目から、歩道幅の狭い所にピョコっと飛び出します。
車に注意です!
法師温泉に降りる道の入り口は、ちょっと分かりにくいので見落とし注意。
鉄塔の巡視路が張り巡らされているエリアなので、法師側から登ってくる時も、道間違いに少し注意が必要です。
木々が見事に染まっている中で、足元を見ればドングリと落ち葉。
スギゴケが美しいですね~
ちょっとデンジャラスな谷あいの道を下り続け、木の橋を渡ります。
渓谷の日が指して、川面がキラキラ。
何とも言えない秋の色合いになりました。
法師温泉近く、滝が見える小さな広場でお昼休憩をとりました。
現在、法師温泉で操業しているのは、長壽館というお宿1軒です。
その創業者は岡村貢という越後の名士であり、上越線の父とも呼ばれています。
三国峠の旧トンネルは2022年にその役目を終えましたが、開通したのは昭和34年と言います。
それ以前は、本当に山奥にある、ひなびた温泉宿だったのだろうと想像します。
お昼過ぎに無事に法師温泉に到着し、日帰り温泉をもらって帰路につきました。
こちらの写真はお客様の撮ったものを使わせて頂きました、ありがとうございます!
長壽館は本館、法師乃湯(大浴場)、別館の3棟が国の登録有形文化財に指定されています。
たくさんの文人が訪れた場所でもあり、館内には色々と関連する展示品もあります。
歴史好き、お風呂好きの方はぜひ一度泊まって頂きたい所です。
今回はいつもと少し目線を変えたハイキングでしたが、いかがだったでしょうか?
三連休最終日に関わらず、遠くからご参加いただきありがとうございます。
街道の面白さは多様で、郷土史に関わるたくさんの資料があります。
何かを手に取るたびに、小学校で使っていた『私たちの新治村』という社会の副読本が、その起点として思い出されます。
けっこう厚い書籍で、三国街道の話などが、素朴な絵とともに載っていた記憶があります。
その本と小学校の授業が無ければ、地域の歴史に触れる機会は殆ど無かったかなと思います。
郷土史家の方々が一生懸命に作ったものだったのだな~と、今は考えが至ります。
先人が残そうとした歴史や史跡のこと、ツアーを作りながら、読み込んでいきたいです。