とことこ地図読みハイク@戸神山【ガイド記録】

地図と頭を使って歩く、地図読みハイクを開催しました!場所は沼田の戸神山。

関越道の沼田インターチェンジを過ぎると、北側に見えてくる三角のお山、郷土の名山です。群馬百名山にも選ばれています。

山行の記録

  • 日程 2025年11月29日(土)
  • ルート 発知ふれあい広場9:40***レクチャー***10:10 ⇒ 観音寺 ⇒ 戸神山 ⇒ 高王山 ⇒ 発知ふれあい広場14:30
  • 距離 6.1㎞
  • 累積標高差 475m
  • 天候 晴れ
  • 行動時間 4時間11分
  • メモ 南側の戸神山駐車場はアプローチ道が非常に狭く、地域のお墓の駐車場でもあるので、配慮が必要。発知ふれあい広場はきれいな公衆トイレと東屋もあり快適です!
ジオグラフィカの記録
ジオグラフィカの記録

最初にレクチャー

本日のテーマは「読図の基礎」。最近はスマートフォンでアプリの地図を使うことが多いですが、登山中もスマホをずっと見ていると、あの小さい画面と、登山道の線ーーーーーに、とらわれちゃいませんか。

それでは、折角登山に来たのになんだか本末転倒。もったいないです。

地図が読めると道迷いなどのリスクを減らす事もでき、地形や距離がつかめているとペース配分ができるので、登山計画もたてやすくなります。

私が思うのはそれに加えて、視覚的・物理的にに広がりのある地図を見ると、山全体の地形も捉えやすいということです。

いろいろな縮尺の地図
いろいろな縮尺の地図

地図は2次元ですが、実際の地形は3次元。目的の山のイメージがつくようになりますし、山域としての視点も養ってくれるように思います。

なので、バリエーション、沢登り、雪山登山、スキー、藪山歩き、などのアクティビティにも地図読みは必要なスキルになります。

ま、ただボンヤリ見ていても面白いですね!

今回は何種類かの縮尺や種類の登山で使う地図を用意してみました。

皆さんご存知、昭文社の「山と高原地図」、国土地理院の2万5千分の1、それからネット上で取得した2万5千分の1と、その倍の1万2500分の1です。

参加者の皆さんには1/25000と1/12500をお配りして、山行中に使っていただきました。

たくさんのポイントがある中で、今日は地図の等高線、尾根と谷の見方にフォーカスしてみます。

こぶしを使った等高線の見本

ピークから見て尾根は等高線が出っ張っているところ、谷はへこんでいるところ、と言うのは簡単ですが実際の地図を見ると分かりにくいもの。

一通りの地図の説明と、方位磁針を使っての整地や、行き先の方角を知る方法をレクチャーしたら、実際に山の中に入っていきます!

なお、今回の企画では、『新版読図の基本がわかる本』山と渓谷社[2024]を参考にしました。最近の事情も踏まえて分かりやすく解説されています。

戸神山~高王山のようす

まずは発知の家並みを抜けて、お寺の境内から登山道へ入ります。おじゃましまーす。石尊山観音寺というお寺です。

この近くの生まれの母によると、沼田市民は戸神山を三角山というけれど、ふもとの地域では石尊山と呼んでいたそうです。

お寺の境内にはさまざまな仏様の石像が林立し、壮観です。名残りの紅葉も見られました。

お寺の階段が最初の急登
お寺の階段が最初の急登です 写真提供Iさま

お寺の本堂に続く石段を登り、建物の横から登山道が始まります。

ここには、群馬県民おなじみのキャラクターの木像もあります。

帽子が緑なので少し昔のバージョンか?ここからはしばらく杉林の中をあるきます。

ぐんまちゃん木像
ぐんまちゃん木像

沢と尾根を横切るように登山道が通っているので、ポイントごとに周囲の地形と現在地、地図上の位置を確認していきます。

なかなか地味な作業ですが、分かってくると面白いのです。

歩き出して1時間半ほどで戸神山の山頂に到着です。

戸神山山頂
戸神山の山頂

戸神山山頂には丹沢大山の阿夫利神社があり、雨乞いの神様がお祀りされています。

この日はキリッと寒くて視界がクリア。360度の眺望!

上信越国境の山々や、群馬の山が一望できました。雲が無ければ富士山も見られる場所です。

戸神山山頂は360度の展望
戸神山山頂は360度の展望です 写真提供Iさま

ここでは、山頂から北西に位置する三峰山を地図を見ながら観察。台形の特徴的な山なので、顕著な谷や急斜面の様子が分かりやすい。

戸神山自体はきれいな三角ですが、北側の高王山へと稜線がつながっており、その間に小ピークがいくつかあります。道もしっかりしているので練習むけ!

戸神山から高王山へ向かう道では、何箇所かで読図クイズ。お一人お一人、地図にココだと思う場所をメモをしていきました。

読図ポイントを4つ設定
読図ポイントを4つ設定 写真提供Iさま

小ピークやコル(鞍部)だけでなく、林道の交差など人工物も目印になります。

ただ、こういった里山は、誰がつけたか分からないないピンクテープや、地図にない道など、紛らわしい物がありがち!!

自分を信じて、地図上の道や表示をたまに疑ってみることも必要かもしれません。(私は自分を信じすぎて失敗することがあるので、ほどほどが大事ですが・・・)

高王山山頂から谷川岳

急登で一気に体が温まったところで、高王山に到着です。

山頂は昔は山城だった場所。木立に囲まれていて大展望はありませんが、戸神山からは隠れていた谷川岳が見えました。

この日の積雪で真っ白!冬の到来を感じられ、皆さん思わずカメラを向けられていました〜

日差しにめぐまれ下山開始
日差しにめぐまれ下山開始 写真提供Iさま

ここからは来た道を戻ります。

里山らしい森に差し込む、冬の午後の光がとても柔らかいです。

途中は先ほど一人で地図読みしたポイントに立ち止まり、どんな地形かを再度確認。

自分がチェックした場所と実際の場所を確認
チェックポイントを確認します 写真提供Iさま

下山はおよそ1時間で駐車場に到着。短いコースではありましたが、里山の色んな魅力が詰まった場所でした。

参加者の皆さんからは「地図楽しい」というお声をいただき、地図の面白さに触れていただけたことを嬉しく思いました!

終わってからの帰路の車中、もっとお話ししたかったことや、皆でやってみたかったことが思い浮かび、反省するやら楽しいやらでした。

私が登山の地図を使い始めたのは、高校生の時。その当時はインターハイの種目に読図もあったりして(いまもあるのかな?)、得意ではありませんでした。

大人になり登山を再開して、地図を楽しめるようになりました。雪山やスノーシュー、沢登りなど、道ではない場所を歩く事が増えたからかもしれません。

今では地図を眺めるのがとても好きです。

かなり趣味に偏った企画ですが、きっと山を好きな方なら面白いと思うはずなので、今後も続けていきたいです!私ももっと分かりやすくかつ楽しく説明をできるようになりたいです。