巻機山・新緑と残雪の避難小屋泊

6月初旬の週末、巻機山(まきはたやま)に行ってきました~

山の位置としては谷川連峰の続く先、稜線が繋がっているお隣なのです。

清水集落の桜坂駐車場に駐車して、井戸尾根を登ります。

登りだしから素晴らしい新緑。

避難小屋泊まりなので、普段より荷物が重い。

5合目を過ぎると雪がみっちり残っていました。

ブナ林が素晴らしいです。

残雪は柔らかく、チェーンスパイクが無くても歩ける程度でしたが、

この周辺のかなり長い区間、雪解け水が登山道をじゃんじゃん流れ、川のようになっていました。

残雪期用の登山靴で行ったので、ジャブジャブでも歩けて正解でしたが、

道がどんどん掘られるし、登山者はぬかるみを避けて道を広げてしまいますね・・・

7合目あたりからは高山の雰囲気。

シャクナゲもあでやか~

どんどん高度を上げていきます・・・と言いたい所ですが、

ひたすらの登りに、なかなか歩みが捗らない~

麓からおよそ1100mのUP、1850m付近で一気に巻機山本峰が見えてきました。

疲れも吹き飛ぶ!

ニセ巻機を越え、避難小屋へ到着すると、巻機友の会の方々が雪上でランチ中。

小屋開け作業がちょうど一区切りした所のようでした。

避難小屋は平成16年に全面改修されたものだそうで、今が二代目だそう。

室内はとてもキレイに整理されています。

屋内のバイオトイレはとてもキレイ。自転車をこぐタイプの攪拌式(※2)。

泊まりの荷物をデポしてから、山頂を目指します。

その前に、私たちもランチ。

もぐもぐ。

小屋から少し行った「竜王の池」には、ミズバショウが咲いていました。

巻機山のボランティア活動により復元された池塘の第一号だそう(※1)。

この池塘が土砂で埋まっていたとは、ちょっと信じられないです。

山頂付近の「御機屋」に到着、織姫さまが機織りをしている場所。

お社などはありません。人工物を作っても雪でつぶされてしまうからでしょうか。

それとも、必要なかったのでしょうか?

伝説だけが残る場所。

越後三山が眼前にそびえます。

三ツ池には、クロサンショウウオと卵塊が見られました。

しかし、こんな山の上にまでどうやって?

この小さな3つの池塘で生き延びているのかな?たくましい。

稜線の遠く彼方には、朝日岳、谷川岳、仙の倉山など、お馴染みの山々が臨めます。

素晴らしい稜線です。

その後、牛が岳までなだらかな稜線を歩きます。

際立った山頂はありませんが、なだらかな山頂全体がこの山を表しているのだなと感じます。

山頂付近はまだまだ雪が残り、割れ目を見ると厚い所では、3~4mくらい積雪がありそう。

そんな中でも、稜線上は春、色々なお花が咲き始めておりました。

小屋に戻りまずお水を作ります。

ジェットボイルいっぱいに沸かして、コーヒーフィルターをセットしてナルゲンボトルに濾し入れます。

雪を掘るのかなと思っていましたが、登山道上で雪解け水をちょうど良く汲める所があり、

ほとんどゴミも入っておらず美味しいお水でした。

お夕飯はシンプルトマトパスタ。

ミートソースは正義。

少し雲が出て、落日はマーブル色。

この時間はやっぱり良いですね。

その日の夜、避難小屋は20名くらいが泊まり、かなりみっちり。

人気なのです。複数人で来るときは、時期とタイミングを考えた方が良さそうです。

夜。

月が明るくて目が覚めました。

月明りと雪あかりでどんな感じなのか、外に出てみたい気もしましたが、

人をまたいで行かないと出られないポジションだったので・・・諦めました。

朝。

少し寒いけど、みっちりの小屋より外で炊事。

朝ごはんのメニューはシンプル野菜ラーメン。沁みます。

パッキング、掃除をして小屋にはお別れ。

とても快適に過ごさせました、関係者の方ありがとうございます!!

外に出ると、口笛のような鳴き声。

これはアイツがいる!

しばらく声をする方をぼんやり見ていると~

後ろ姿ですが、ウソ♀を捉えられました。

ぽちゃっとしたフォルムが可愛いのです♡

下山中には、盛んにさえずるウグイスと会いました。

普段はヤブの中で行動しているので、なかなか見られないけど繁殖期だからでしょうか?

長い長い下りの下山後、駐車場の草刈りをしているおじさんと行き合いました。

40年前?に十数人で巻機友の会を結成して、いまは山に登る作業は若いメンバーに任せていて、

ご自身は駐車場の管理をしているそう。

今年は大雪で、おじさんが今まで経験した云十年の中でも、一番だったとか。

小屋開けのタイミングも遅れたそうです。

巻機友の会では、今もハイシーズンに毎週2名、避難小屋の管理のために登っているとのこと。

ボランティア活動が続いていることもスゴイし、

若い方へ世代交代ができているのもスゴイ。

相方がとっていたジオグラフィカのログ、山頂からの下山が直線になってしまいました。

はて?トイレを急いで下ったからでしょうか・・・?

織姫様のお邪魔しちゃったでしょうか?

※1 南魚沼地域振興局『清水と巻機山自然探勝ガイドマップ

※2 関東森林管理局『管内の百名山:巻機山

※参考資料 日本ナショナルトラスト、東京農業大学他『巻機山:景観と植生復元の45年』2023年