ボルネオ旅 川下り、夜犬は吠え、たまにカワウソ
ボルネオ旅、後半はキナバル山登山で、その前半は民宿に泊まりながら川下り。
現地在住のガイドさんにいろいろ教えてもらいつつ、美味しいものもたくさん食べた!その記録。
参考書を読んだ
出発にあたり『夜のイチジクの木の上で』という本を読んでみた。ボルネオの夜行性哺乳類シベットの研究をした、生物学者の中林氏のお話。
辺境クライマーのけんじりがXでツィートしていたのを見て、ボルネオが舞台のお話ということだった。
しかも町の図書館に蔵書があったので、さっそく借りてきた。図書館というのは文明だなといつも思う。
実家の居間でゴロゴロしながら読んでいると、ヤミスズメバチという蜂に刺され、自身でポイズンリムーバーで処置したという。
アシナガバチの5000倍痛いらしい。受傷後は痛みに対する閾値がバグって、痛みに鈍感になるそうだ。ぜひ刺されたくない。
野外救急の分野では、ポイズンリムーバーを使うより、いち早く流水で流すというのが現在の正しい処置となっていると、春に受けた講習では習った。ハチの毒は水溶性なのだ。
しかし、手持ちに真水が無かったら、何もしないより吸毒してみたほうが、少しは良いのではないか?そんなに痛いなら、少しでも痛みを減らしたい。
引き出しにしまってあったポイズンリムーバーを取り出して、ザックの雨蓋に入れた。使いたくないけど、お守りとしよう。
州都コタキナバル
羽田空港深夜発の便でコタキナバルへ。ANAの安全対策のムービーがPokemonになっていて子ども大喜び。ピカチュウ可愛い。
コタキナバルに到着したら夕方。ここで現地在住ガイドのボーイさんと合流。
コタキナバルはサバ州の州都であり、ボルネオ島の中心都市。にぎやかで車も多いけど、市民はあまりクラクションを鳴らさないようで、インドやネパールのように騒がしくはない。
海沿いの街ということもあり、開放感がある。いい感じ。
初日の夜は海鮮のお店に連れて行ってもらった。ニョニャ料理というのかな?水槽に魚が泳いでいて、これとこれ、というふうにオーダーする。
翌朝はラクサのお店へ。こちらも大変美味しかった。麺はビーフン。エビも入って10RM(300円くらい)なのでかなりお得。
小さな柑橘をキュッと絞って食べるのが良い。
もう一つ市内の美味しいお店。こちらは後日訪れたところで、バクテーが食べられる。
具は小さなお椀に豚の部位ごとに盛られ、スープは具とは別にこれまた小さなお椀に供されるスタイル。内臓系も色々ある。
わりあい薄味なので、お店の入口に生ニンニクと刻んだ唐辛子が置いてあり、小皿にとって、中国風の醤油とともに好きなように味付けして食べる。
ご飯が炒められていない白米なので、少しホッとする。
どこからともなくデリバリーされてきた、デザートのココナッツゼリーも美味しい。
どのお店も地元の人でいっぱいで、人気店のようだった。ガイドのボーイさんがローカルの美味しいものを食べられるようにと、色々考えてくれたのだと思う。
ありがとうボーイさん!
パックラフトday1. Kiulu River転覆する。
ホテルの窓からはコタキナバル湾(と言うのか知らないけど)がよく見えた。
水上生活を営む人たちの村から、ボートが出勤してくる。
ピックアップトラックに荷物を載せて出発!人間はバンに乗る。
コタキナバル市内は都会なのに、たくさんピックアップトラックが走っている。
アウトドアガイドでもしてない限り過剰装備だと思ったが、KK市内でもアグレッシブな路駐がなされているので、車高が高い車が有利そう。
この日の午前中はmari-mari cultural villageで観光。ボルネオの伝統的な家が再現されていて、お菓子やお酒がふるまわれたり、体験アトラクションがあったり。
ガイドさんが先頭になり解説をしながら園内を周る。
伝統的なロングハウスは最長で2㎞とあったと言ってたけど、本当かな?!
最後はダンスショーを見て、ランチを食べて終了。とても良くオーガナイズされた施設という印象。入園料が130MRと少し高いけど行ってみても良いと思う。
オーナーの奥さんが千葉出身の日本人の方で、ユミコさんというらしい。
マリマリを出ると時間はすでに13時。ここからKiuluに移動して、民宿にチェックイン。
宿の隣を流れる川の上流を下るらしい。
なんか川の水が想像よりも多くて速いような・・・。
この日のセクションはクラス2、少し瀬(流れの速い場所)がある。
諦めずに漕いでね、と言われていたが・・・
スタート直後、よく分からないうちに流れに引き込まれてフリップ!
すぐにアキさんが助けに来てくれ、「立っちゃダメだよ〜、、、ほい!」と船に引っ張り上げてくれた。
みんな笑っていたが、若干死ぬんじゃないかと思った。
なんとかゴールまで行きついたのだが、これから4日間、無事に過ごせるかとても不安であった・・・
パックラフトday 2. やや心穏やかに。
民宿の周りは野犬がウロウロしており、ちょっと怖い夜を過ごす。
しかし、朝はとっても爽やか!
川べりでぼんやりしていたら、民宿の名前の由来の黒いリス(monggoluton)も見つけた。ラッキー!🐿️
敷地内にはでっかい木の実もあった。おそらくジャックフルーツ。
熱帯というとフルーツが際限なく実り、ひがな寝そべっていても生きていけるような、そんなイメージがある。
しかし前掲の本によると、フルーツにも季節があり場所柄もあるので、実際はそこまでお気楽な場所ではないという。
とはいえ、やはり寒くないというのは楽だ。
ずっと半袖短パン、裸足で快適なのだから。
半屋外な食堂でご飯。気温が高いので気持ち良い。猫がたくさんいておねだりをしてくるけど、あげない。
この日はボーイさんによれば、昨日よりは穏やか」とのこと。ホントかな?!
案の定、この日も私からしたら激流だった!
「大丈夫」というのは転覆しないという意味ではなく、フリップしてもなんとかなるという意味をいう。
お昼から移動。途中の峠道のドライブインみたいなお店でランチ。
イノシシ肉だという。
ここにも野犬がたくさんいて、おねだりしてくるが、あげない。
この日からはKota Belud(コタブル)の近くの町の、ボーイさんの友達、ボブさんがオーナーの民宿に泊まる。
ここにもワンコがたくさんいるので、食堂には柵があり、ワンコが入れないようになっていた。
夜は敷地内を走り回り、じゃれ合っているのか?ケンカしているのか?キャンキャンとにぎやかだった。
残念ながらシベットのような野生生物は見れなかったが、なんだかボルネオは犬か猫がいつもいる。
ボブさんのお母さんたちの手作りご飯。じゃこの入っている炒め物が美味しい。
パックラフト day 3. 平和の川で遊ぶ
この日からは、Kedamaian川へ。朝ごはんをしっかり食べる。
Kedamaianとは「平和」という意味だそう。その名の通り、昨日までのKiulu川よりは穏やかそう。
水もかなり綺麗だ。
この川はキナバル山が源流で、川から山容が見えた。
4000m級の山とあって、すごく高い!
リバーガイドが何人もいるなんて、めったにないので、流れの穏やかな所では、川に入ってみる。
泳ぎは苦手だけどぷかぷかしているのは楽しい!
綺麗なブルーの水に、ジャングルっぽい植生で、利根川とはだいぶ雰囲気が違う。
途中、川岸で見た事のない足あとを見つけた。
Otter=「かわうそ」だそう!
自然の中でかわうその足跡を見られるとは、びっくり~
Otterってラッコじゃなかったかな・・・と後で調べたら、
ラッコはSea Otterで、イタチ科 カワウソ亜科ラッコ属。
陸のカワウソはOtterであった。ラッコってカワウソなのね。
この日は1日かけてのパックラフト。川べりに上陸してランチを食べた。
地元のお弁当屋さんで調達したお弁当は、魚のすり身ボールと、黒糖でほんのり味付けしてあるもち米。
みんなで集合写真!
現地ガイドはボーイさんはじめ3人ついてくれたが、みんな子供の頃から泳いで遊んでいたという。
それがボルネオの男の子なんだそう。
Day. 4 パックラフト最終日
最終日は短いセクションを下る。
結局この日が最も穏やかなセクションだった・・・・
お世話になったボブさんの家を後にして、コタキナバル市内に戻る。
宿の裏からは、堂々としたキナバル山が見えた。
旅の後半は、あのてっぺんに行く。
この間、お世話になっているボブさんの家の食事で出てきたのが、バムバガン(bambagan)というマンゴーの仲間の果物を漬け込んだもの。
スライスされた果実は繊維質が多く、種を刻んだものとチリと一緒に漬けて発酵させてある。酸っぱくて匂いが独特。
この漬物はドゥスンの食卓を象徴するもののだそう。ボーイさんは山のようにご飯の上に盛って、サラサラと食べていた。
食べやすいとは言い難いが、3日間食べていたらなんとなく慣れた。
ずっと食べ続けていたら、地元に馴染めそうである。