苗場山ツアー 赤湯から祓川【ガイド記録】

10月の三連休は、ゆっくりプランで苗場山に行ってきました。

Day 1. 小日橋から赤湯温泉

初日は湯沢の登山口から、赤湯温泉を目指します。

最初は清津川沿いの林道歩き。お天気が良く、汗ばむ陽気です🌞

清津川沿いの林道
清津川沿いの林道

林道の途中では、山ブドウが落ちているのを見つけましたよ~

良く熟したものは、濃厚な甘酸っぱさです🍇

山ブドウを食べながら
山ブドウを食べながら

鷹巣峠を越え、およそ3時間。

鉄橋を渡ります。ライトブルーの渓流が美しい~

赤湯温泉手前の橋
赤湯温泉手前の橋

今夜のお宿に到着です。

赤湯温泉山口館、明治30年から続く温泉宿だそう。

午後の早い時間に着いたので、ゆっくりお風呂に入って過ごしました。

赤湯温泉山口館
赤湯温泉山口館

この日はお天気の三連休ということで、満館!

薪窯炊きのご飯が名物ですが、食事の時間中、ご主人がずっとご飯を炊いてらっしゃるのが見えました。

小屋番さん、スタッフさん、忙しい中ありがとうございました。

Day 2. 昌次新道から山頂へ

翌日は朝も温泉を楽しんで~

美味しいお米の朝ごはんをたっぷりいただき出発です🍚

新館に宿泊
新館に宿泊

標高1030mの赤湯温泉をスタートし、昌次新道から2145mの山頂を目指します!

途中の河原では、ポコポコとお湯が湧いているのを横目に、すこし遡ります。

赤湯から山頂を目指す
赤湯から山頂を目指す

赤倉山への分岐まで登り上げ、いったん下りますが、ここが難路。

慎重に下ります。

昌次新道へ向かう
昌次新道へ向かう

標高1450m付近までは、大きなカツラやトチが自生する沢筋を歩きます。

写真は「桂の沢」と道標のある場所から見える、カツラの大木です。

桂の沢、名前通り大きなカツラがある
桂の沢、名前通り大きなカツラがある

季節は秋、カツラの葉っぱからふんわりと甘い香り。

丸くて黄色の葉っぱ、綿あめみたいな香りがします。探してみて下さいね。

長い長いアップダウンを越え、後ろを振り返ると素晴らしい景色が広がります。

昌次新道の上部
昌次新道の上部

昌次新道は、山口館の初代山口昌次さんが、猟師の親方の主導のもと拓いた道だそうです。

完成したのは昭和6年といいます。いまからおよそ100年前。

山頂台地に登り上げる急登は、最後のひと頑張り。

鎖場がありますよー!!

山頂台地に登り上げる
山頂台地に登り上げる

でもココを越えたら、広ーい湿原になります。

苗場山の湿原は、尾瀬とは違ってなだらかな起伏があります。

そこここに散らばる池塘が、棚田のように見えます。

苗場山山頂台地
苗場山山頂台地

食堂でお茶会をしていると、小屋番さんから

「今日は雲が低いので、そろそろ夕焼けを見ておいた方がいいですよ~」

との声。

暖かい準備をして外に出てみます。

なんとも言えない、夕方の空の色が広がっていました。

月も出ています🌝

苗場山の夕焼け
苗場山の夕焼け

しばし散策し、お部屋に戻ると、西向きの小さな窓からも。

お夕飯の時間まで、喋ったり黙ったりしながら景色を見ていました。

山小屋のお部屋からの夕焼け
山小屋のお部屋からの夕焼け

夜も彗星を探して歩いてみました。

残念ながらお目当ては見られませんでしたが、素晴らしい星空を見る事ができました。

長い一日、大変お疲れさまでした🙏

Day 3. 朝焼けのち下山

前日に「日の出30分前から(空が)焼けてきます」とのアナウンスがあり、

5時半頃から外に出てみます。木道には霜が降りました。

眼下は雲海、ジワジワとオレンジ色が広がります。

素晴らしい朝焼け
素晴らしい朝焼け

太陽が昇ると、柏手で拝む方もいました。

苗場山は古来から、稲作の神様として崇拝されてきた場所です。

今も、神様がいますね。

日が昇り、湿原が照らされてくると、また違った色彩になってきます。

山頂台地が黄金に染まる
山頂台地が黄金に染まる

朝の散策から戻り、パッキング。

この日も山小屋は満員、朝食は三回転目にいただきました👀

美味しい朝ごはん
おかずたくさんの美味しい朝ごはん

おかずはタケノコ煮はじめ、たくさん。金時豆の甘煮も好きです😋

写真はおかずとみそ汁のみ。こちらにご飯と海苔、お漬物や昆布がつきます。

小屋番さんに見送られ、かぐらスキー場方面へ下山します。

雲尾坂を降り、神楽が峰を目指して登り返していきます。

お天気は快晴、苗場山がカッコ良く見える所で。

水場付近より山頂台地をのぞむ
水場付近より山頂台地をのぞむ

三連休最終日でしたが、たくさんの日帰り登山の方とすれ違いました。

岩ゴロゴロの道を下ること、およそ4時間。

和田小屋に到着し、2泊3日の山歩きが終わりました。

ゆっくりペースとはいえたくさん歩きました。ご参加のお二方、大変お疲れさまでした🙏

モウセンゴケ
モウセンゴケ

今回のコースは、1泊2日でもそこまで無理なく歩けるコースです。

ですが、2泊することで、ゆっくり歩く事もでき、余裕を持って行動できます。

そして何より、赤湯温泉と山頂ヒュッテ、素晴らしい場所に滞在できるのが利点と思います。

山小屋や登山道の歴史を感じたり、秋の実りを楽しんだりする時間もあります。

ガッツリ登るのも良いですが、こんな山歩きも良いのではないでしょうか。

ところで、赤湯温泉は私にとって2回目の宿泊。

小学生に入るか入らないかの頃、家族で泊まって以来の宿泊でした。

これまで日帰りで入浴することはあっても、通り過ぎてしまっていました。

当時は暗くてちょっと怖かったのですが、大人になるのも良いものですね。

ずっと行きたかった場所に、お客様と一緒に訪れることができ、嬉しく思いました。